合成数の強みを考える
この記事は素数大富豪アドベントカレンダー2023の23日目の記事です。
昨日の記事は、はなぶさん*1の「今年の素数大富豪活動とお知らせ」でした。長年精力的に素数大富豪の普及に尽力されているはなぶさんには感謝の念が尽きませんね…!
みなさんこんにちはmickeyです!
今回は、最近とても熱い合成数について考えてみました。というのも最近素数大富豪界隈では上がりの札以外合成数しか出せない「合成数大富豪」というものが流行っており、大会も開かれています。ちなみに僕は初回から全部の大会に出ましたが、今のところ一度も優勝できていません。ぐやじい
さて、みなさん合成数の強みといったら何を思い浮かべるでしょうか?個人的に強いと思っている点を箇条書きにしてみます
1: 偶数消費量を多くすることができる
2: 指数部分をバラすことで複数のパターンで出せるものがある
3: 合成数上がりは奇襲性が非常に高く、不利な手札でも逆転勝ちしやすい
軽くですがこんなもんでしょう。ということで、それぞれの強みに特化した合成数たちを探してきました
偶数大量処理型合成数
まずは奇数を1枚しか使わず、同じ札の被りが3枚以下で、かつ3枚被っているのが1つしかない合成数です
6枚出し
Q828Q5=5^6×821
84T256=2^4×525641
6845Q8=2×2×2×855641
68T256=2^4×425641
5288Q5=5^4×8461
2888Q5=5^4×4621
888656=2^4×55541
565888=2×2^6×4421
5枚出し
6QT25=5^2×244841
4T88T=2×5×641^2*2
8525Q=2^5×26641
4Q864=2^6×6451
T6525=5^2×4261
82625=5×5^2×661
64256=2^8×251
62464=2^T×61
52544=2^6×821
25625=5^4×41
15625=5^6
4枚出し
8TQ5=5×5^2×6481
2TQ5=5×5^2×41^2
Q85Q=2×2^8×251
Q8Q5=5^5×41
45Q8=2×2×2×5641
4T24=2^6×641
T256=2^4×641
8656=2^4×541
5248=2×2^6×41
2644=2×2×661
2624=2^6×41
2564=2×2×641
3枚出し
5Q8=2×2×2×641
656=2^4×41
625=5^4
512=2×2^8
488=2×2×2×61
244=2×2×41
128=2×2^6
125=5×5^2
次に奇数を一枚しか使わず、同じ札の被りが3枚以下で、かつ3枚被っているのが2〜3つしかない合成数です
7枚出し
4684TT4=2×2×2×5855Q63
84666Q5=5×5^2×823^2
65646Q8=2^4×4T2883
6466Q48=2^8×252583
62864Q8=2^8×245563
2684T88=2^Q×6553
T484528=2^4×655283
6845464=2×2×2×855683
6484664=2×2×2×8T583
6枚出し
5Q8TT4=2×2×2×64TQ63
5TQ8Q8=2×2×2^T×Q4543
868TT4=2×2×2×T85Q63
844TT4=2×2×2×T55Q63
425TQ8=2^4×2656883
8646Q5=5×5^2×263^2
4254Q8=2^4×265883
4T6288=2^4×256643
こんな感じでしょうか。本当はもっとあるはずなんですが探してる途中で力尽きましたorz
見ての通り偶数5〜16枚に対して奇数を一枚しか使わないので、偶数*3がかなり多い時には重宝しそうです。
さてこの合成数たちをどこで使うかですが、基本的には合成数大富豪になると思います。合成数大富豪では、全出し後に偶数がかなり多いとほぼ上がるのは不可能な状態になってしまうので、それをある程度解消するのには使えそうです。また、素数大富豪でも偶数がとんでもなく多い時にとりあえず消費する用としては使えそうです。さらに、素因数も全て偶数大量消費型素数なので、セットで覚えられてとてもお得です。
指数表記多用型合成数
これは、ほとんど去年の記事で書きました。
本記事では、個人的におススメなものをランキングにして紹介しておきます。
1位 4782969=3^14
2位 6718464=2^10×3^8
3位 67T8864=2^26
4位 3188646=2×3^13
5位 2985984=2^12×3^6
6位 1179648=2^17×3^2
7位 1889568=2^5×3^10
8位 1679616=2^8×3^8
覚えるならこの順番を推奨します。特に上3つは死ぬほど使いやすいので、絶対に覚えましょう。
また、ちょっとだけ新しい型もあります。
9.9.6.5.4.4.3.3.2.1.k.k.q.q.j.tの組み切りとして
519KTKQ=2^Q×3^3×4694J
KKQTJ→569344=2^Q×139
などがあります。と、ここで注目したいのが519KTKQと569344は2^Qという同じ素因数を持つ点です。この共通の素因数を持つことによって、指数部分をバラしても両方で使えるため、相手の行動によって出し分けることができます。
ただし現状探索が非常に大変なのと、使いやすい形が見つかっていないこともあり、全く使われていません。理想としては、
①7枚だし指数表記多め17〜18枚消費合成数
②7枚13〜14桁素数→残りで①と指数表記を共用できる合成数
この2パターンがある奇襲戦術特化の二刀流用合成数が欲しいのですが…今ところ見つかっていません。見つけた方は是非教えてほしいです。
奇襲戦術用合成数
初期手札の奇襲
合成数の強みとして、場に出ている枚数よりも多い量の札を一気に消費できるというものがあります。これを使って、相手に上がれないと思わせて、合成数で奇襲して上がるという戦術が結構強いです。
例えば、プレイヤーAは初手でQQJ=53×2287が揃っている時に、3枚だし→QQJ=53×2287で札を12枚消費することができます。では、ここでプレイヤーBが最初の3枚出しをされた時に取れる立ち回りを大雑把に場合分けしてみましょう。
①
合成数上がりを警戒して、切り札急の大きい素数又は合成数を出して、残りで上がる
②
KKJなどの切り札級の素数を持っているので、相手のKKJなどをブロック*4できており、KQK.KJJ.KTJなどをドミネイト*5できているので、相手の3枚だしよりも大きい素数を出してラリーに持ち込む
③
①、②もできないので、カマトトする
このように、Aが3枚出しの後ろにQQJを持っている時、Bが勝てるパターンは、①のみになります。このように、相手に切り札級の素数がない場合は勝つことができ、もし相手に切り札があったとしても、先に出して残りで一撃で上がるというかなり難しい組み切りを強要することができます。
全出し後の奇襲
オバケ上がり
また、これは全出し後の組み切りにも使うことができます。有名なものだとオバケ上がりです。
基本的な立ち回りとしては、
4枚出し→残りのオバケで上がる
という感じです。組み切りの難易度は低めですが、この状況を作るためには相手がミスをする、もしくはラリーに乗ってくるという展開が必要で、立ち回りが相手依存になってしまい不確定要素が多くやりづらいです。
超多枚合成数
しかし、全出し後にも2手で合成数上がりまで持っていける組み切りが存在します。それは、超多枚出し合成数を使った組み切りです。具体的には、
6枚だし→18〜19枚消費の6枚だし合成数
または
7枚だし→17〜18枚消費の7枚だし合成数
などが挙げられます。が、これは超多枚出しなので、25日にあげる超多枚出しの記事で詳しく発表しようと思います。少々お待ちを…
5〜7枚だし可換型合成数
他にも、不確定要素があるものの使えなくはない合成数があります。それは5〜7枚だし可換型合成数です
+7-q
t913627=8j×k457(大きさ上位互換K918267=11^3×10457)
t9k627=8j×13457
5jt96=2^3×k1×4877
+7-8
q597673=j^2×t41k
k2t673=7×q49×15j
5k2tj=7×17×43q69
+3-j
253t891=4q7×6k3
4t8q61=k×73^2×593
t689q=2^4×3×3×k×571
+3-t
6213q49=73×85jk
62kq49=73×85j13
jkq37=13×856249
+2-j
5432k89=67^2×qt1
t96k12=2^5×83×4q7
t96kq=2^5×83×4127
+2-8
1734q59=k^2×t26j
t9232j=k×67×q541
t546q=2×2×k×17×j93
+2-q
t926481=2k7×5j3
78456k=19^2×t3×2j
kt15j=463×28297
+1-q
89135t4=2^j×71×6k
89k5t4=2^j×71×613
t4k9j=17×612583
まず使い方ですが(123456789TJQK)から、札を一枚足して、一枚引いたものになっています。例えば、+7-Qは構成する札が(1234567789TJK)になっています。このように、被りが少なめなので出せる確率が高いです。
そして1番の強みは、5〜7枚だしで出し分けることができる点です。そのため、
5〜7枚だし→5〜7可換合成数
という組み切りができるのでかなり使いやすいです。ただやはり、この組み切りをするためには相手のミスかパスが必要なので、少し使いづらいです。
最後に
合成数出しはもう少し開拓の余地があると思っているので、まだまだ色々考えていきたいです。
以上で記事は終わりです。質問や指摘、訂正等ありましたら、お手数をおかけしますがmickeyのX(Twitter)(@Factorization57)にご連絡下さると助かります。
さて明日は3TKさんの「競技素数大富豪を5年やって身に付いたもの・手に入れたもの」です。素数大富豪界の重鎮、3TKさんはこのゲームで一体何を得たのでしょうか。楽しみですね!