みなさんこんにちはmickeyです!
今回は、先日投稿したn枚2n桁素数表を少しアップデートしたものの中から覚えるべきものを、初心者〜中級者向けに枚数別にtier表にしました。また、tierの付け方は素数の強さと使用頻度を統合して判断しました。
初心者の方はn枚2n桁(n<6)のtierSSまで覚えるとかなり戦えるようになります。初心者の方向けに使いやすいものを抽出して、使い方も載せた記事「n枚2n桁tierSS(最優先)素数表」も一緒に投稿しました。初心者の方はまずこちらの記事をご覧ください。
中級者の方はtierSまで覚えるとかなり強くなれると思います。
注意書き
1. この記事ではJOKER(ワイルドカード)のことをXで表します
2. 全てのn枚2n桁素数が載っているわけではありません。使いやすいものをある程度厳選しています。
3. 全て並び替え最大素数です
目次
3枚6桁
tierSS
131311
131213
tierS
131111
131011
121013
111211
この素数達は絶対に使うので覚えましょう。特に131311は、相手が全出ししていても切り札として使えます。相手が全出ししている時に131311が返される確率は約3割です*1。
4枚8桁
tierSS
13111211
13111013
13101211
tierS
12121211
11131111
tierA
12131113
tierSSは初期手札での切り札として使えます。ただし、相手に全出しされるとoverKJQJ*2で返されることがあります。返される確率は、なんと8割です。つまり相手に全出しされたらKJQJは通らないと思った方がいいです。そのため、初手でKJQJなどを使って組み切る時は、二刀流という戦術を使って組まないと勝てないことが大半になります*3。
tierSは12を3枚処理できるので便利です*4。
tierAは12131113として出すよりも、3枚だし最大素数の131311として出した方が強いので、あまり使いません。
5枚10桁
tierSS
1313121311
1313121011
1313111011
tierS
1312131211
1312111111
1312101013
1311131111
1310101211
1211121013
tierA
1212131213
1112121211
1111101311
1012101011
1010111111
tierSSは絶対に使います。Sまでは初期手札で組み切るときに切り札として使えます。ただし1313121311,1313121011以外は、相手に全出しされると切り札として機能しないことが多いです。
6枚12桁
tierSS
131313131011
131313121211
tierS
131313101011
131312121211
131312121011
131312111111
131312101111
tierA
131210101013
131110121011
131012121211
131010101111
131010111311
tierB
121212101011
121210111111
121210101011
121111101011
121012101313
121012101311
tierC
121112111311
tierSSはそろった時点で出せば必ず上をとることができる素数です。
tierSはカウンティングすると相全出し後*5にも通すことができる場合がある素数です。
7枚14桁
tierSS
13131313121011
13131312121211
13131312121111
13131312121013
13131311111111
13131310111013
13131213131111
13131111131311
tierS
13131311101211
13131310101011
13131212111111
tierA
13131211121011…*6
13131111121111…*7
tierB
13131211101013
13131110111011
13131012121211
13121210121013
13121111101013
13121012121011
13121011121111
13101212111011
tierC
12121212111011
12121211111011
12101010101111
11121010101211
10121212101211
tierSSはそろった時点で出せば必ず上をとることができる素数です。ただし13131312121111は、相手に先に13131312121111を出されると返せない場合があります*8。また、13131311111111はオバケで返される確率が極僅かながらあります*9
tierSはKorXが手札に4枚以上ある時に出せば必ず上をとることができる素数です。
tierAは少し複雑なカウンティングをすることによって切り札として使える素数です。カウンティングの内容は脚注に書いてあります。ただし、13131211121011は相手に先に出されると返せない場合があります。
tierBは出しやすいですが、全だし後の切り札としてはあまり使えない素数です。初期手札で一部を1.2.3.で置き換えながら使ったりすることによって切り札として使うことがよくあります。この中でも、2枚以上の被りがないもの*10は覚えておくととても便利です。
8枚16桁
tierS
1313131312121011
1313131311111211
1313131311101111
1313131213101011
1313131211101211…*11
1313131113121211
1313131011101311
1313121312121013
tierA
1313131210121011
1313131112111011
1313131111101011
1313131011101011
1313121213121111
1313121210121213
1313121210121211
1313121210121013
1313121111131111
1313121111111211
tierB
1313121110111011
1313121010101211
1313111212121011
1313101012111211
8枚16桁素数は、手札に絵札が11枚以上あれば確実に通すことができます。
tierSはそろった時点で確実に通すことができる素数です。ただし、1313131211101211は相手に先にこの素数を出されると返せないので注意が必要です。
tierAは手札にKorXが手札に4枚以上あるときに確実に通すことができる素数です。*12。
tierBは全だし後の切り札としてはあまり使えません。1313101012111211は使いやすいので覚えておくと役に立ちます。
9枚18桁
tierSS
131313121210101211
131313121011121111
131313121010101111
tierS
131313131210121011
131313131110121011
131313121010111111
131313101212111211*13
131313101210121011
tierA
131312121210101011
131312121011101111
131312101212101111
131312101110111011
131310111012101011
131212101011101211
131212101011101111
tierB
131312121112101211
131312111211101111
131310111012101011
131212121110121011
131212111110111011
131210131010121011
9枚18桁は、手札に絵札が10枚以上あれば確実に上を取ることができます。
tierSSは同じ札の被りが3枚以下のもので、手札に揃った時点で確実に通すことができる素数です。
tierSはKとXが計4枚以上あるときに確定で通すことができる素数です。
tierAは被りが3枚以下の素数です*14(2+2+2+3=9、1+2+3+3=9)。131312121011101111、131312101212101111はかなり使いやすいので覚えておきましょう。
tierBは被り4枚が1種+残りの絵札から被り2枚以下3種(1+2+2+4=9)の素数です。
10枚20桁
tierS
13131312121111101011
13131312101110101211
13131212121110101111
13131211111012101011
tierA
13131312121012101011
13131312101110101211
13131311121210111211
13121212111011111011
tierB
13131312121210111211
13131312101010111011
13131213121210121011
13131212111210121011
13131211121010101011
13131210121212101011
13131210111110101111
13131210101012101211
13121212121110101011
10枚20桁素数は出せれば確実に通ります。
tierSは被り2枚が2種+被り3枚が3種の素数です(2+2+3+3=10)。
tierAは、被りが3枚以下の素数です*15(1+3+3+3=10)。正直、覚えるのはtierAまででいいと思います。
tierBは被り4枚が1種+残りが3種の素数です(2+2+2+4=10、1+2+3+4=10)
コラム n枚2n桁に関する考察
この考察は中級者者以上向けです。
この記事を書いて気づいたことがあります。それは、覚える優先度が必ずしも小さい枚数順になっていないなと思ったことです。個人的に、
3>4>5>6>9>10>7>8 の枚数順で覚えた方が効率がいいと思っています。もちろん理由があります。まず3.4.5.6枚出しは初期手札で組み切るのに使うので最も優先度が高くなっています。そしてここからが問題です。まず、全出し後に最も組み切りやすい枚数帯としては9枚、10枚出しになります。というのも、9、10枚出しは相手の上を取れる素数の数が多い上、「9→9→残り*16と10→10→残り」という組み切りでは残りの枚数が小さくなる*17ので組み切りやすいのです。そのため次に9、10枚だしの優先度が高くなっています。
では何故、7枚14桁素数の優先度が高いのでしょうか?理由は7枚出しには使いやすい合成数がたくさん存在するからです*18。これらの合成数を絡める組み切りは、7枚出し合成数→7枚14桁素数→残り という組み切りになるので、残りの枚数が2〜8枚ほどになり*19とても組み切りやすいのです。
では、「8→8→残り」はどうでしょう?この時残りは、8〜9枚という大きい枚数になってしまいとても組みづらくなっています。さらに、8枚だし合成数を絡めた組み切りは枚数が足りなくなることがとても多いです。つまり8枚だし組み切りは、素数で組むと余りが多くなってしまい、合成数で組むと枚数が足りなくなってしまうという、帯に短し襷に長しな枚数帯なのです。
このように強い組み切りに必要なn枚2n桁素数が小さい枚数順にならないのはちょっと面白いと思います。
ちなみに、まだ他にも色々マニアックな理由があるのですが、流石に長くなるので今回は割愛します*20。
最後に
やっと書き終わった〜〜〜!この記事を書くのはめちゃくちゃ大変でした…
この記事を書いた意図は色々あります。一つ目は、初心者の頃は何を覚えればいいの全くわからないと思うので、強くて使いやすい素数を効率よく覚えるための手助けができるような記事が書きたかったからです。二つ目は、n枚2n桁素数をたくさん載せた上で、カウンティングが書かれている記事がなかったからです。ただ、この記事のカウンティングはかな〜り大雑把*21なので、今度カウンティングが必要なn枚2n桁素数専用の記事を書こうと思います*22。3つ目は、素数大富豪素数を強い&使いやすい順に並べている記事がなかったからです。特に、使いやすい順に並べるのは覚える効率という点でめちゃくちゃ重要だと思います。
この記事を見た皆さんの素数大富豪力が底上げされて、界隈に強い人(ガチ勢?)が増えることを祈っています。
以上で記事は終わりです。間違いを発見した場合はmickeyのTwitter@Factorization57(X?)*23に連絡していただけると大変ありがたいです。また、質問もお気軽にお寄せ下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
*1:相手が全出ししているとき(札24〜25枚時)は、131312=2^4×29×283と131313=3×7×13^2×37で返される可能性があります(overKKJ、通称オバケ)。自分の手札に2や3が多い時は相手にオバケが揃いにくいので、返される確率がより低くなります。
*2:東工大素数大富豪同好会さんの記事がわかりやすいです https://qk-titech.hatenablog.com/entry/2021/04/15/121300#調査方法
*3:二刀流については、3TKさんのブログがとてもわかりやすいです https://hana3101382283.hatenablog.com/entry/2020/05/31/kaieda
ちなみに、この記事の中で3TKさんがめちゃくちゃいいことを言ってらっしゃるので引用させていただきます。
>ぶっちゃけ素数大富豪大会で勝つために重要なのは「素数をたくさん覚えているかどうか」より「勝つために必要な素数をたくさん覚えているかどうか」なんですよ
本っ当にこれに尽きます。名言すぎる…
*4:12121211だけでなく1212121も素数です。12を3枚使う4枚出し素数はこの二つしかありません
*5:両プレイヤーが全出しした後のこと
*6:KorX4枚以上+J2枚以上
もしくは、KorX4枚以上+Q3枚以上が手札にある場合に通すことができます
*7:奇数絵札(K4枚、J4枚、JOKER2枚)のいずれかが、7枚以上手札にある場合に通すことができます
*8:KorXが4枚以上あると確実に通せます
*9:13131312101010=2×3^4×5×16211496421が揃う可能性があります。Nishimuraさんのシュミレーターで出せる確率をシュミレーションしてみたところ、手札25枚時に出せる確率は0.0000002%以下だということがわかりました。なので、ほぼ可能性を考える必要はありません。
*10:7枚14桁で2枚以上の被りがないのは(13131211121011.13121111101013.13101212111011)
*11:7枚14桁の13131211121011との混同に注意!
*12:Kが3枚しか手札にない時でも、Q.T.Jのカウンティングをすれば通すことができる場合があります。相手の最大素数が何かを考えると簡単にカウンティングできます
*13:131313121010101111に負けてしまうので注意が必要です。7枚の13131312121211や10枚の9131313121212101111が確定で通る素数になります。使う際はこちらを使うか、絵札10枚時、k,Xの合計枚数が4枚時などにしましょう
*14:tierSSを除く
*15:tierSSを除く
という意味。後も同じノリです
*17:残りがそれぞれ6.7枚、4.5枚になります
*18:以前僕が書いた7枚だし合成数の記事はこちらです https://mickey57.hatenablog.com/entry/2022/12/17/002532?_gl=1*1a321nb*_gcl_au*MTUwNjAzNDQ0OC4xNjkxMjM4NjA4&_ga=2.228210461.1071269765.1691238554-735783007.1689835576
*19:大抵5枚以下になります
*20:この辺はいつか書きます。多分
*21:今回の記事で書いたカウンティングはKのカウンティングがほぼ全てです。実はQ.T.Jのカウンティングをすることによってさらに通す幅を増やすことができる素数が幾つもありますが、量が膨大なので今回はほとんど省略しました
*22:この記事を見てこれを書いてもいいという人がいたら是非書いてください!しばらく書かれなかったら多分僕が書かと思います
*23:いーろんよけいなことしないでまじで